写真修復:ベンチの二人

原版はズタボロでした


昔の写真を修復してたのが出てきたんで何度かに分けて紹介しようと思います。
まずは、昭和40年代前半、高度成長期の写真。
ズタズタのボロボロで色褪せしたモノクロームな写真の傷を消し色褪せを除去して色付けまでしたものです。

どこか動物園かそれとも百貨店の屋上か分かりませんが、木製のベンチに座り不安そうな顔をしている幼い二人を覗き込む「竹中直人」風のおじさん。
右側に写っているのが私です。


・スキャン

原版はズタボロでアルバムから外すと敗れそうでしたので台紙ごと直接スキャンしてみました。

かなりの損傷でしょ。
高度成長期の頃、大人も子供もファッションがいかにも昭和感アリアリでレトロ。
後ろの「竹中直人」似のおじさんがいかにも滑稽(こっけい)です。
それに木製ベンチの下に牛乳かジュースの空き瓶が二つ転がっています。
昔は今の様にペットボトルや紙パックではなく、売店のショーケースには瓶に入った飲み物が売られていました。
私の靴、紐がほどけていますね。


・回転と傷の除去

さて、この写真をまずは回転させて傷んだキズを修復します。
ついでに枠も取り去りました。
右側の私の太ももの付け根当たりの傷が残っているのはご愛敬…
右手に持っている付箋のようなものはものは何でしょうか?


・色褪せ除去

次にセピアに色褪せたものを除去します。(太ももの傷は消えています)


・カラーリング

最後に色付けです。
元々の原版がL版のスキャンですから解像度は現代のデジカメの物には遠く及びませんので悪しからず。
肌の色など定型色以外全ての色は完全に私の想像上の産物です。
皆お金の無かった高度成長期なので地味目なファッションに統一してあります。
左のぼくちゃんの帽子の色がちょっときつかった感はありますが…

結局、私が右手に握っているものはどうしても付箋に見えて仕方が無かったので付箋として仕上げました(笑)
この頃の子供靴は、黒色の合成皮革の紐靴だったんですね。
「ちゃんと結んでないと転んじゃうよ!」って言いたくなってしまう…


 

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